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凛々

占星術やってます。スピ系中心にいろんな情報を発信します。

天上の青

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曽根綾子さんの小説。作家の星座別に本を紹介するという素晴らしいブログに偶然出会いまして、おとめ座のコーナーで見つけた本です。

 

編集者である妹と2人、ひっそりと暮らす30代後半の主人公・波多雪子と、

 

甘いマスクとよく回る饒舌な舌で次々と若い女性を騙しては気分ひとつで殺す、犯す殺人鬼・宇野富士夫の2人を軸に物語は展開します。

 

自称「いい加減なクリスチャン」である雪子。彼女が自宅の庭で咲かせていたきれいな朝顔「ヘヴンリー・ブルー」を見て声をかけてきた宇野富士夫。

 

朝顔を育ててみたい、と言いながら、彼女が渡した朝顔の種を捨てていたり、多少荒んだ人間だと分かりながら、時たま訪ねてくる彼の話し相手になる雪子。

 

富士夫は仕事が続かず、実家の青果店の屋上にプレハブ小屋を作ってもらいそこで生活しています。実家は姉の夫に乗っとられ、クズだのゴミだのと罵詈雑言を浴びせかけられる毎日。

母親は反対に富士夫を過保護なまでに甘やかします。

憂さ晴らしに彼は次々と女性を襲います。

 

彼が殺人鬼だとは考えもしない雪子は、彼に人間として対等に接します。

富士夫は、どうしても彼女だけは殺せませんでした。

雪子に聖女を見たのでしょう。

彼の中に残っていた寂しさ、悲しさ、他人を大切に思う気持ちを雪子が浮き彫りにします。

 

花に「きれいだね」と声をかければ本当に美しくなっていくように、

人間もまた然りで

相手を悪魔にするも人にするも、接する自分の心ひとつなのかもしれません。